症例集

犬種:トイ・プードル(♂ 10歳)
症状:季節性の下痢、嘔吐
検査:糞便検査

暑い日が続くと犬たちも体力が低下し、見た目は元気だけど下痢や嘔吐が突然発生なんてことがあります。
本日ご来院のT・プードルくん10才も昨日から突然の嘔吐と下痢。

昨日より明るい下痢が始まり、次いで嘔吐が発生。
特に日常は変わったことがなく、朝7時前のお散歩と夜7時過ぎのトイレ出し以外はクーラー生活で食餌も変わったものがなく、ドッグフードにお肉とお野菜煮たものを少々。
昨年の履歴から、昨年もちょうど夏7月に同じ症状を発症しています。
糞便検査ではクロストリジウム菌感染症が疑われました。

過去の病歴を確認すると、どうやら昨年の7月にも同様の症状を発症しています。
より詳しくお話をお伺いすると、毎朝の散歩で近所に畑があり、そこのおじさんが夏になると毎朝キュウリをくれるとのこと、このプードル君もキュウリが大好き、その場で一かけもらってお散歩から帰るとのこと。

夏場になるとキュウリが出来る

おじさんから毎朝もらう

毎日少しずつお腹が弱る

お腹の抵抗力が徐々に低下

夏の暑い状態で悪い菌がお腹に侵入

抵抗力がないので最近に負ける

細菌性腸炎が発生し下痢発生

腸炎が悪化し嘔吐発生

という流れのようです。

犬は生野菜がNG(消化できません)です。
好きだからという場合には、たまに多少あげるのは構いませんが、毎日は厳しいですね。
毎日の場合には必ず煮るなど加工して与える必要があります。
人間と犬の消化機能はまったく違いますので注意しましょう。

なかには『うちの子は大丈夫、毎日食べてるワ』なんてコもいるでしょうが、それはトラブルになっていないだけ、便などにはハッキリとあらわれていませんが、消化管には負担となっています。
ですので野菜は『生』はNG。
しっかり火を通して指でペーストに出来るくらいにしましょう。
犬種:アメリカンコッカースパニエル(♀ 15.5歳)
症状:ハアハアする / 元気低下
検査:血液検査 / 超音波検査 / レントゲン検査

Aコッカーのジョジョちゃん(15.5歳)
このところ何となく調子が悪い(主訴はハアハアする)とのことなので液検査を実施。
やや貧血傾向が確認されたため、それではとエコーとレントゲンの追跡検査で脾臓に腫瘤を確認。
さすがに高齢のため麻酔の危険率も考慮し飼い主さんと検討。
飼い主さんからは麻酔処置に快諾いただき、ただちに手術となりました。

脾臓にデキモノというと、イヌでは脾臓の血腫、脾臓の血管肉腫、リンパ腫などが一般的。
もちろんそれ以外のモノもありますが、血腫ならば良性、血管肉腫は悪性です。
悪性の場合には予後の平均生存期間は約4ヶ月。
組織検査をしないと確定診断が出ませんので、脾臓を取り出し検査所に送ります。

さて、手術の成果ですがもちろん大成功!
早期発見のため手術も手早く終了し、ジョジョちゃんにかかる麻酔の負担も最小ですみました。
麻酔の覚醒も10分以内ととても早く良好。
これは、飼い主さんの日々の管理の賜物です。

病理組織検査の結果は、前述の2種類以外のちょっと変わったケースで良性。
診断名は『骨髄脂肪腫』とても希な良性タイプの腫瘍でした。

いずれにしても貧血も改善され元気も復活。
良かったヨカッタ、さあ〜20歳目指して頑張りましょ〜!
犬種:ジャックラッセルテリア(♀,12歳)
症状:疲れやすい・元気が不十分・元気がない・けいれん発作・低血糖症
診断:血液検査・超音波検査・CT検査・MRI検査

ジャックラッセル・テリア12歳。
膵臓ガンの担癌犬(癌と共存)。

3年前の2011年・夏に膵臓ガンが見つかり日本大学動物病院にて切除。
その際にガンは全部取りきれず、一部残ったままの担癌状態で3年経過。

現在は生活環境および食餌内容の調整や自律神経のバランスを調整しながら漢方薬を用いた免疫力のUPなどで、とても上手く維持されています。
以前同じ膵臓ガンの症例で、維持期間5年のラブラドールがいました。
そのラブラドールは膵臓ガンではなく天寿を全うして他界することができました。
生活には笑いの絶えない生活はとても重要。
この両犬共に飼い主さんととても楽しく生活しています。
犬種:ヨークシャテリア 体重1.6kg
診断:細菌性膀胱炎からの敗血症および膀胱結石・その他多数
症状:血尿・ショック症状

当院での受診が6件目。
重度の細菌性膀胱炎から敗血症を発生し夜間緊急病院を受診。
敗血症によるショックで一時は呼吸停止、救急処置にて回復したのち当院を受診。

レントゲン検査で膀胱結石を確認。
結石は直径約5mm〜15mm程度のものが多数。
尿検査では赤血球・細菌・シュウ酸カルシウム結晶を検出。
シュウ酸カルシウム結晶は溶けない膀胱結石のため手術適用。
血液一般検査では極度の白血球上昇・脱水も存在し更に甲状腺機能低下症を認める。
治療は甲状腺機能低下症を投薬にて治癒させながら、抗生剤にて敗血症のコントロールを実施。
その後、状態が安定した後あとに膀胱結石の摘出手術を実施。
約10日間の入院を経て退院。
その後は食餌および投薬にて膀胱結石の再発を予防しながら観察維持。
犬種:ゴールデンレトリーバー
診断:ヒモ状異物の誤飲による腸閉塞
症状:元気消失・虚脱・繰り返す嘔吐と下痢・食欲不振〜廃絶
診断:超音波検査・レントゲン造影検査・血液検査


異物の誤飲のなかでも危険率が高いのがヒモ状異物。
ヒモ状の異物はヒモがゆっくり消化管の中を進んでいき、ヒモを中心に消化管がアコーデオン状に引き寄せられてしまい、蠕動運動が妨げられてしまう疾患です。
このアコーデオン状態になると腸閉塞が発生し、最終的にはヒモ状異物により消化管が裂け腹膜炎を発症して死に至ります。
この場合、異物であるヒモが長いほど危険率が高まります。

この症例は、元気消失・嘔吐を主訴にファーストオピニオン(かかりつけ獣医)を受診したところ、抗生剤と嘔吐止めの処方にて診察終了。
その後も嘔吐・下痢が治らず、犬も元気消失が強くなり本院を受診。

当院にて血液検査、レントゲン検査・超音波検査にてアコーデオン・サインがみられ消化管内異物と診断。
そのまま緊急手術となりました。

開腹手術ではヒモが胃の中の別の異物にからまり、胃から大腸まで繋がっており、小腸全域でアコーデオン状態が起こり腸閉塞状態を確認。
消化管を複数(多数)箇所切開し、異物を小間切れにして摘出。
消化管を縫合して腹腔洗浄を行い閉腹、7日後に無事退院。

異物の手術でヒモ状異物が一番厄介。
とヒモ状異物はひき抜いてはいけません。
犬猫たちの肛門からヒモや髪の毛、糸状のものが出てきたら絶対に引っ張ってはいけません。
引き抜かないようにしましょう。
引き抜くとその摩擦で腸管がヒモの方向に裂けてしまいます。
肛門からヒモ状のものが出ているときには、軽くつまんでギリギリの位置でハサミで切り離します。
アジソン病とはアジソンさんが見つけた病気なのですが、アジソン病は副腎皮質ホルモンの分泌が低下してしまい各所に障害を起こす病気。
体質的な問題はもちろんですが、慢性的なストレスなどが関与してきます。
副腎皮質ホルモンというと皆さん聞いたことがあるかと思いますが例の怖いヤツですね(笑)
でも生体内からでているので、正しく使えばとても効果的で安全なモノなのですが・・・。

副腎皮質ホルモンは大きく分けると2種類あり、糖質コルチコイドというのと鉱質コルチコイドがあります。
糖質コルチコイドは糖質・脂質・蛋白質のコントロールや炎症を抑える効果などなどその効果は多岐にわたります。
鉱質コルチコイドの方は、ナトリウム・カリウム・クロールと体内の電解質バランスを制御します。
電解質バランスでも特に血液中のカリウム濃度が高くなり過ぎると、心臓などに致命的なダメージを与え死亡したりします。

副腎皮質ホルモンは、別名『抗ストレス・ホルモン』とも呼ばれていて、体がストレスを感じたときにそのストレスに対抗するために出てくるホルモンです。
慢性的なストレスを受け続けているとでやすい傾向にある感じがします。

症例はグレート・ピレニーズちゃんでアジソン病が発病した子がいました。
その子は毎日毎日、ママのミルクティーを分けてもらっていました。
その生活を続けた結果3歳でアジソン病が発病してしまいました。
ある日立てなくなり緊急診察。
血液データでは典型的な脱水および高窒素血症と電解質異常、至急ホルモン検査を追加してアジソン病が確定。
緊急状態を脱したのち、経口薬のフロリネフと食塩にて加療維持。
その後は投薬だけで安定的に維持し、約10歳で慢性腎不全で他界されました。

このピレニーズちゃんの発症に関しては直接的な因果関係は不明。
体質上その病気を持ち合わせていたのかもしれませんが、紅茶には犬の体を興奮させる成分が含まれています。
毎日その成分を摂取し続けたので、体が毎日一定のストレス下におかれた状態と同じになったのではないかと考えています。
ストレス状況が続くと副腎皮質も稼働オーバーで壊れてしまいます。

ですから、夜はゆっくり休ませて(飼い主と寝ないように・・・(笑))極力、悪いストレスからは保護してあげましょう。
またストレスにも良いストレスと悪いストレスがあります。
悪いストレスは皆さんよくご存じですよね。
良いストレスの代表は運動や日光浴です。
良いストレスと悪いストレスはしっかり分けて考えましょう。
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